陶器と磁器の違いがわからない。
生徒さまから、陶器と磁器の違いがわからないんですが…とお話しを頂きます。
確かに見た目だけでは分かりづらいですよね。
では、どうしたら分かるか?
私が見るのは、先ず釉薬の無い部分(素地)の色、次に持ち上げた時の重さの感覚。
あぁ、説明不足でなんとも分かりづらいですね。
これも感覚的ですが、もう少し分かりやすい陶器と磁器の判別方法をお教えします。
それは、器を指で弾いて音を聞くこと。
その音が『低い』『鈍い』『澄んでいない』そのどれかに当てはまる場合は…
陶器です。
弾いた音が『高い』『キンという音』『金属っぽい』と感じた場合は…磁器です。
音が高いか?低いか?が、相変わらず感覚的過ぎて分からないと言われたら、それまでです。
根っから直感と五感を頼りに生きているので(汗)
『そもそも”陶磁器”って言うじゃないですか。違うんですか?』
これも良くレッスン後のティータイムに言われます。
はい。違います。
プロの方に叱られる事を覚悟して、とっても簡単に言うと、陶器は粘土、磁器は石の粉が主な原料です。
陶器の粘土の粒子は粗いので、素地の中には気泡が入り、そのため弾いた時の音が低かったり、鈍い音になるんです。
その逆に粒子の小さな石の粉で出来ている磁器は、素地に気泡が入らないので、高い澄んだ音がします。
また、気泡が無く密度が高いので、陶器よりも磁器の方が強度があります。
スープチューリンは陶器?磁器?
エムラリックで電子レンジ調理に使っているスープチューリンは、磁器製です。
ちなみに、スープチューリンとは、キッチンの大鍋で作ったスープを食卓用に取り分ける鍋のことです。
アトリエのランチ会で8人分の調理がキッカケとなり、電子レンジ調理鍋として使い始めました。
指で弾くと高いきれいな音がしますよ。
お持ちの方は、是非お試しください。
ただし、私は陶器のスープチューリンも1つ持っています。
ある時、祖母の家の中から発掘しました。
昭和の器です。(写真ボケてて)
初めて持った時に『ちょっと密度低そうだけど、陶器でも問題ないだろう』と思い、アトリエでお料理に活用しました。
先日、ナスのレンジ蒸しを作ると
左の持ち手側に大きなヒビが…
裏側を見ると
もうダメです。レンジ調理には使えません。
陶器と磁器の強度はこんなに違うのか!
実感しました!
結論、陶器は電子レンジで使わない!
陶器のスープチューリンは、使い始めてから3ヶ月くらいです。
ほかの磁器製スープチューリンは3年以上使っていますが、調理によるヒビは1つも入っていません。
陶器のスープチューリンをもう一度よく観察してみると、釉薬にたくさんのヒビが入っています。
最初は真っさらでしたから、このヒビも使うたびに入ったモノでしょう。
今後この陶器のスープチューリンは、陶器を電子レンジにかけた結果の良い(悪い?)見本として、レッスンで皆様にお見せします。
また愛着のある器なので、フルーツやサラダのボウルとして違う用途で活躍する予定です。